マクロからミクロへの応力変換 (Macro to Micros Stress Conversion)
ミニレベルの解析では個々の積層の評価ができますが、マクロレベルの解析では複数の積層で構成された要素としての評価を行うことができます。複合材が連続体というばかりではなく、積層の特性と巻き角をもとに均一な材料として仮定して、破壊基準が等価な応力の関数となります。
積層の特性は、すべての層の特性を合計し巻き方で調整して得られます。たとえば、次のようになります:
ここで:
ExLAM = 積層の長手方向縦弾性係数
tLAM = 積層の厚さ
E⊥k = 層 k の長手方向縦弾性係数
Cik = 長手ラミネート軸に対する層 k の変換マトリックスの主軸
Cjk = 軸直ラミネート軸に対する層 k の変換マトリックスの主軸
tk = 層 k の厚さ
複合材の特性が決まると、要素の剛性パラメータが要素の断面と複合材の材料特性から均一な材料のように決定されます。
垂直応力とせん断応力は、1) 断面に働く荷重、2) 断面特性から決定されます。関係式は次のとおりです:
saa = Faa / Aaa ± Mba / Sba ± Mca / Sca
sbb = Fbb / Abb ± Mab / Sab ± Mcb / Scb
scc = Fcc / Acc ± Mac / Sac ± Mbc / Sbc
tab = Fab / Aab ± Mbb / Rab
tac = Fac / Aac ± Mcc / Rac
tba = Fba / Aba ± Maa / Rba
tbc = Fbc / Abc ± Mcc / Rbc
tca = Fca / Aca ± Maa / Rca
tcb = Fcb / Acb ± Mbb / Rcb
ここで:
sij = 面 j での i 方向の垂直応力
Fij = 面 j での i 方向の力
Aij = 面 j での i 方向の合成荷重
Mij = 面 j での i 方向のモーメント
Sij = 面 j での i 方向の断面係数
tij = 面 j での i 方向のせん断応力
Rij = 面 j での i 方向のねじり抵抗
マクロ、ミニ、そしてミクロ解析の関係から、これらの応力は積層内の応力に戻すことができます。そして、さらに、繊維と母材に戻すことができます。また、ミクロの破壊基準に、さらには要素全体を評価することができます。