短期荷重ケースの注意事項 (Notes on Occasional Load Cases) - CAESAR II - ヘルプ

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日本語
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CAESAR II
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CAESAR II Version
12

いくつかの配管規格では、風、地震のような短期荷重の応力は自重、内圧、その他の一定荷重による持続応力に加算するように規定されています。この組み合わせは、CAESAR  II で次のようにしてできます:

CASE #

1

W+P+H

(SUS):

持続応力

2

WIND

(OCC):

風荷重セット

3

U1

(OCC):

地震荷重の分布 g 荷重セット

4

L1+L2

(OCC):

短期風荷重

5

L1+L3

(OCC):

短期地震荷重*

* スカラーでの合成方法が必要です。

システムに非線形影響をモデル化した場合には、これらの合成はそれほど簡単ではありません。摩擦、片方向拘束、およびギャップ付き両方向拘束はこの複雑さを表す非線形項目です。非常に長い鉛直配管でガイドのある場合に作用する風荷重を例として示します。配管とガイドには 1-inch のギャップがあります。通常の運転では、¾-inch だけ動き、1-¾-inch だけギャップがあるものとします。反対側は ¼-inch のギャップになります。風荷重のみを解析した場合に、配管はガイドの中心から止まるまで 1-inch だけ動くことができます。通常、短期荷重は運転荷重とともに解析されますので、配管は近い方のガイドでは ¼-inch の動きで拘束され、他方は 1-¾-inch に制限されます。システムの非線形性から、短期荷重の変形と応力は、配管系の運転時位置に影響を受けます。

CAESAR  II 荷重ケースの次のリストは、この非線形による配管系の運転時位置に影響を考慮しています。荷重ケースは、1方向の風荷重で、+X方向とします。システムにより、もっとも厳しい荷重は、どの方向にも生じる想定されます。すなわち、 +/-X, +/-Z あるいは斜め XZ 方向になります。次の荷重ケース作成の目的は、運転時の配管系の短期荷重の影響を調べることです。 運転から短期風荷重のモーメントの変化による応力は、持続応力に加算されます。

CASE #

1

W+T1+P1

(OPE):

運転解析

2

W+P1

(SUS):

持続応力

3

W+T1+P1+WIND1

(OPE):

運転荷重と風荷重

4

L1-L2

(EXP):

熱膨張応力 (代数的加算)

5

L3-L1

(OCC):

風による変位 (代数的加算)

6

L2+L5

(OCC):

風による応力 (スカラー的加算)

ケース5は運転時の配管系から風荷重の影響を分離する計算をしています。ケース6はケース2の持続応力にケース5の応力を加算しています。