静的解析の実行 (Running the Static Analysis) - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
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CAESAR II Version
12

CAESAR II による静的解析は、一般の有限要素法解析アルゴリズムを踏襲しています。ソフトウェアは全体システム剛性マトリックスを構成するために要素剛性を組み合わせます。各基本荷重ケースは、全ての要素の端点に荷重として定義されます。これらの基本的な荷重セットは、システム荷重ベクトルとして組み合わされます。剛性に変位を乗じると荷重になるというフックの法側 (F=KX) を用いることで、ソフトウェアは未知数であるシステムの変位と回転を計算できます。しかし既知となった変位は、ハンガー選択、非線形サポート、摩擦がすべて剛性マトリックスと荷重ベクトルに影響を与えるとして、解析中に変更されるかもしれません。

CAESAR II はこの方程式からの根の解法を用います。すなわちシステム全体の変位と回転は、要素剛性と各要素端点の全体(X、Y、Z)荷重とモーメントが使用されます。これらの荷重とモーメントは、規格応力が計算された要素の局所座標系に変換されます。固定点、支持点の荷重とモーメントと変位が拘束されているポイントは、節点に入っているすべての全体荷重とモーメントに釣り合うと仮定します。基本荷重ケースの代数的組み合わせは、変位段階、荷重段階あるいは応力段階で適切に処理されます。

解法のための設定が完了すると、変位と回転の計算は、基本荷重ケースのそれぞれのために繰り返されます。このステップの間、Incore Solver ダイアログが表示されます。

このダイアログは、静的解析のモニターとして提供されています。上左サイドには、解くべき方程式とこれらの方程式が有するマトリックスのバンド幅の数を表示することによって、ジョブのサイズを反映しています。方程式の数をバンド幅で乗じると、ジョブ サイズの指標になります。また、このエリアはソフトウェアが解析して解くべき現在の荷重ケースと基本荷重ケースの総数を表示しています。繰り返しの数は現在のケース数同様、作業がどれくらい完了したかを示しています。非線形拘束のある荷重ケースは、レスティング支持、浮き上がりのような拘束設定に関する変更仮定する前に、いくつかの解あるいは繰り返しを必要とします。

Incore Solver ダイアログ左下には、プログラムがどの解法を行っているかを示す2つの棒グラフが表示されます。これらの棒グラフは、解法の処理速度を示しています。最初のボックスのデータをクリックすることによって、結果を得るのにどの位要するのかを知ることができます。

Incore Solver ダイアログの右側には、ジョブの非線形拘束とハンガーの状況に関する情報を提供しています。たとえば、収束していない拘束の数、荷重を支持していないハンガーなどのメッセージがここに表示されます。非線形拘束の状況は、F2 から F4 キーを押すことによって個々の情報を得ることができます。

システムの変位と回転の解析の後、これらの結果が後処理され、局所断面力、基本荷重ケースによる応力、代数的組み合わせの全ての結果、例としてL1-L2が得られます。CAESAR II はこれらの全システム結果を末尾に _P (たとえば TUTOR._P) を付けたファイルに保存します。

ファイル名に _A (または入力ファイル)、_P (または出力ファイル)、OTL (出力時間リンクファイル, Output Time Link file) は、すべて静的解析を保存するために必要なファイルです。残りのスクラッチファイルは、解析作業が完了すれば削除可能です。

このポスト処理の間、ステータス (Status) フレームは、荷重と応力を計算している要素をリスト表示します。最後の要素の応力が計算されると、出力プロセッサ ダイアログが表示されます。このダイアログを使用して、解析結果のグラフィックスと表形式を表示します。出力結果の対話形式の詳細は、動的入力と解析 (Dynamic Input and Analysis)を参照してください。