このタブは 動的解析 (Dynamic Analysis) ウィンドウの 解析種類 (Analysis Type) で 調和振動 (Harmonic) を選択したときに使用可能になります。
値は 調和振動荷重 (Harmonic Forces) タブか 調和振動変位 (Harmonic Displacements) タブのいずれかで指定してください。
調和振動位相 (Harmonic Phasing)
複数の荷重あるいは変位が与えられる場合は、位相が重要な意味を持ちます。位相角度は「度」で入力します。位相は荷重同士のタイミングを表します。たとえば、2つの調和振動荷重が同じ配管ラインの異なる節点に働いているとき、位相が逆であれば荷重はお互いに向かい合った方向にあり、配管系には動的にアンバランスを生じることはありません。右から左へと荷重が常に同じ方向にある場合には、配管系には 2つの荷重を足した動的なアンバランスを生じます。これが位相角度の意味であり、このような関係を決定するために必要なデータです。たとえば、次に示す荷重データは節点番号10 と 105 に全く同じように同位相で運転中に作用します。
荷重 (Force) |
方向 (Direction) |
位相 (Phase) |
開始節点 (Start Node) |
---|---|---|---|
1500 |
X |
0 |
10 |
1500 |
X |
0 |
105 |
節点番号10 と 105 に作用する次の調和振動荷重は荷重ベクトルの方向は同じですが、逆位相になります。
荷重 (Force) |
方向 (Direction) |
位相 (Phase) |
開始節点 (Start Node) |
---|---|---|---|
1500 |
X |
0 |
10 |
1500 |
X |
180 |
105 |
2つのもっとも一般的な位相関係の荷重は、回転機器、往復動圧縮機によるものです。
回転機器は、偏芯、速度、質量を動的荷重としての特徴を持っています。これらの項目はローターと理論的質量中心に働く調和振動荷重として変換されます。調和振動荷重の大きさは次の式から得られます:
Fn = (mass)(speed)2(eccentricity)
ここで speed は回転シャフトの角速度で、1秒当たりの回転数です。この荷重は軸に平行な軸と 90º 方向に作用します。
往復動圧縮機では、ポンプが一定の間隔で脈動圧力を発生させ、この脈動はポンプ内部の弁とポンプ速度に関係して発生します。この脈動圧力は音速でポンプから流体中に伝播して、配管系のベンドで荷重を生じます。配管系のエルボ部での荷重は、最初のエルボからエルボ間の距離に応じて位相のずれが生じます。エルボ間の位相のずれは配管系にアンバランスな動的荷重を発生させます。最初のエルボからの位相のずれ (角度) は、次の式で表すことができます:
phase (in degrees) = [(frequency)(length) / (speed of sound)]360º
ここで frequency はポンプ脈動圧力の振動数、length は前のエルボからの距離を示します。エルボでの圧力の大きさは次のようになります:
Harmonic Force = 0.5 (peak-to-peak pressure variation) (Area)
すべての指定した荷重は、指定した振動数で位相を考慮して同時に作用するとします。