代表的な埋設配管の変形は、地上配管のそれとは大きく異なります。埋設配管の変形は、ベンドやティーなどの方向が変化する部位近傍に限られます。ベンドやティーから遠く離れた部位では、変位は主に軸方向です。1つの FROM節点と TO節点で構成される要素の最適なさはモデル化される変形パターンに依存します。連続した支持のあるモデルではないため、ソフトウェアは連続した支持をシミュレートするために管に沿った支持点を追加する必要があります。これらの支持点はユーザが定義することもできます。単位長さあたりの剛性に関して、次のいずれかを満足していることが必要です:
-
ある程度間隔の狭い剛性の小さな支持
-
限られた数の大きな剛性支持
変形が大きい場合には、配管から地盤へ適切に荷重を伝達するためにより小さな要素が必要です。配管の水平方向に変形する領域での長さを「水平支持長さ」といい次の式で計算することができます:
Lb = 0.75(π) [4EI/Ktr]0.25
ここで:
E |
= |
管縦弾性係数 (Pipe modulus of elasticity) |
l |
= |
管断面2次モーメント (Pipe moment of inertia) |
Ktr |
= |
管長さあたりの地盤ばね (Transverse soil stiffness on a per length basis) |
CAESAR II は局部的な荷重分布を適切にモデル化するためのこの支持間隔の間に 3つの要素を設けます。配管系の支持間隔の長さはゾーン 1 (Zone 1) 長さと呼ばれます。配管系の中間長さはゾーン 2 と呼ばれ、配管系の軸方向変位長さの部分はゾーン 3 と呼ばれます。軸荷重を適切に伝達させるためにゾーン 3 の要素は 100 x Do で計算されます。ここで、Do は管外径です。ゾーン 2 の要素分割は増分長さとして 4要素分としています。ゾーン 1 での要素の長さの 1.5倍から始まり、ゾーン 3 まで 50 x Do で等しい増分で要素が配置されますCAESAR II での代表的な配管系の要素分割の例を下図に示します。埋設配管として認識されるすべての管密度はゼロに置き換えられ、支持によって自重での曲げが生じないようにしています。
CAESAR II では、ゾーン 1 のエルボーに接続する直管を要素分割において自動的に勾配をつけています。配管系においてどこがゾーン 1 なのかを CAESAR II に指示する必要があります。
埋設配管のモデル化で重要なことは適切なゾーン 1 と 水平方向の支持領域 の定義にあります。これらの支持領域は主に次の場合です:
-
方向の変化する両側
-
継手部
-
埋設-地上境界部 (地盤への出入り部)
-
ゾーン 1 内およびその付近のユーザ定義の節点
データ変換 (Data Conversion)
CAESAR II はオリジナルのモデルに要素分割を行い、地盤ばねを追加して埋設配管モデルに変換します。変換のプロセスでゾーン 1、ゾーン 2 およびゾーン 3 の要求を満たすすべての必要な要素を作成し、この領域の要素に拘束を配置します。すべてのエルボは少なくとも 2つ以上の曲がり断面に分割され、長いベンド半径のエルボはゾーン 1 にある配管要素の要素長さ以上にはならないようにしています。節点番号は FROM節点番号に「1」を加算した節点番号が生成されます。ソフトウェアは、節点番号がモデル内で重複しないようにチェックしています。埋設配管のすべての密度は、連続支持の管重量による曲げが生じないようにゼロとしています。変換履歴ログが作成され、変換プロセスの内容がすべて記述されています。