PCF_RES_MAP.TXT ファイルでは、PCF での支持/拘束名と対応する CAESAR II 拘束の種類を定義します。
CAESAR II は SUPPORT マッピングコンポーネントを使用して、指定された座標にあるサポートに適用します。ソフトウェアはファイル PCF_RES_MAP.TXT で SUPPORT が <SUPPORT_NAME> キーワードと一致しない場合、SUPPORT-DIRECTION 属性のみを読み取ります。SUPPORT-DIRECTION 属性の値は、UP、DOWN、EAST、WEST、NORTH、SOUTH のいずれかになります。
サポートの設定はプロジェクトによって様々です。SUPPORT コンポーネントを CAESAR II でモデルに読み込む際にサポート設定を調整するには、ファイル PCF_RES_MAP.TXT で <SUPPORT_NAME> キーワードがマッピングされていなければなりません。
一般的な SUPPORT コンポーネントの例を以下に示します。NAME 属性の属性定義 VG100 がハイライトされています。これが CAESAR II サポートのマッピング定義に使用されます。
サポート設定を変更する場合、ソフトウェアに正しくインポートするためにマッピングファイルをカスタマイズできます。
ファイル PCF_RES_MAP.TXT を修正するには
ファイル PCF_RES_MAP.TXT は CAESAR II System フォルダーにあります。
このファイルでは、PCF の支持/拘束名と対応する CAESAR II 機能を定義します。
この作業は、オプションです。デフォルトのファイルを確認して、作業モデルに合わせて変更する必要があるかどうかを決定します。
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メモ帳 (Notepad) のようなテキストエディタでファイル PCF_RES_MAP.TXT を開きます。
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属性のカスタマイズオプションまたは拘束定義を修正します。
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ファイルを保存して、閉じます。
PCF キーワードの定義 (Defining PCF Keywords)
Keyword Mapping Section (キーワード マッピング セクション) に PCF ファイルの属性を次に示す CAESAR II キーワードに対して定義します:
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<SUPPORT_NAME>
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<SUPPORT_TAG>
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<SUPPORT_GUID>
CAESAR II キーワードは "<>" 内の文字列で、PCF インポート処理で使用されます。<SUPPORT_NAME>キーワードはサポート (支持) のマッピングを行うために CAESAR II が使用します。<SUPPORT_TAG> および <SUPPORT_GUID> キーワードは CAESAR II にインポートされるサポート特性 (プロパティ) です。
サポートマッピングの定義 (Defining Support Mapping)
Support Mapping Section (サポートマッピング セクション) にサポートのマッピングを定義します。
下図のサンプルファイルでは、VG100 は CAESAR II の 2つのサポートに対応します:
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+鉛直方向の支持 (Vertical support) (重量支持 - weight support)
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摩擦係数が 0.3 に等しいガイド (Guide)
このファイルは広範囲の支持機能に加え、キーワード MU= (摩擦係数) および GAP= (拘束でのギャップ定義) に対応しています。
サポートの構文には次のものがあります:
<Support Name> <N>
<Restraint Function> <MU=> <GAP=>
空白を入力するときは、スペースバーを使うようにし、Tab キーは使用しないでください。
<Support Name>
CAESAR II は <Support Name> をユーザーの PCF マッピングファイルに定義されている属性と一致させようとします。<Support Name> を含む PCF ファイルの属性定義は、一致するとみなされます (完全に一致する必要はありません)。たとえば、<Support Name> が VG1 で、属性定義が VG100 であれば一致するとみなされます。
<Support Names> が長い名前から短い名前の順に並んでいると、最適な結果が得られます。<Support Names> として VG1 と VG100 の両方がある場合、ソフトウェアは VG1 が VG100 より先に処理され、一致したとみなされます。
<N>
配管系入力 (Piping Input) の対応する 拘束 (Restraint) 補助パネルで配置されている CAESAR II拘束がいくつあるかを指定します。CAESAR II は要素に 6個までの拘束を配置できます。
<Restraint Function>
GUI、LIM、VHGR などの拘束の目的/種類、VERT、NS、EW などの全体軸 (Global Axes)、a、b、c などの局所軸 (Local Axes) を指定します。:
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ANC, GUI, LIM, VHGR, CHGR
CAESAR II 固定 (Anchor)、ガイド (Guide)、軸拘束 (Axial Restraint)、可変のハンガー (Variable Hanger)、コンスタントハンガー (Constant Hanger) の個々のハンガーを作成します。Variable と Constant 属性は、可変またはコンスタントハンガーとして設計されるハンガーを作成します。
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VERT, EW, NS
全体軸 (Y-up 設定時の Y、X、Z および Z-up 設定時の Z、X、Y の各方向) に沿った並進方向の拘束を作成します。以下の図を参照してください。一方向の拘束には、先頭に "+" または "-" をつけて作成します。
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A, B, C
支持/管 設置の局所軸 (local axis) に対応した並進方向の拘束を作成します。A は管の中心線に対応し、B は支持の "direction" 属性に対応し、C は A および B 軸に対応しています。グローバル拘束と同様に、一方向の拘束には、先頭に + または - をつけて作成されます。以下の図を参照してください。
<MU=>
拘束に追加する摩擦係数の値をオプションのキーワードに続けます。(このキーワードは ANC、VHGR、CHGR には無効です。)
<GAP=>
拘束に追加するギャップの値と単位をオプションのキーワードに続けます。(このキーワードは ANC、VHGR、CHGR には無効です。)
ソフトウェアは、キーワード END-CONNECTION-EQUIPMENT で定義されるプロセス機器のノズルで熱による変形を 0.0 の値も含めていずれの自由度に対しても与えることができます。これは固定点の初期の挙動を与えていますが、数値がはっきりした段階でユーザーに容易に実際の熱変位を与えることができます。
例
次の例で、推奨のマッピング入力に沿った代表的な拘束の設定を説明します。
可変のスプリングハンガー (Variable Spring Hanger)
これらは、可変のスプリングハンガーであることを示し、ひとつの CAESAR II 支持 (= VHGR) にマッピングされます。これは、CAESAR II では、プログラムで設計されるスプリングハンガーであると解釈されます。
コンスタント スプリングハンガー (Constant Effort Spring Hanger)
これらはコンスタント スプリングハンガーであることを示し、ひとつの CAESAR II 支持 (= CHGR) にマッピングされます。CAESAR II では、プログラムで設計されるスプリングハンガーとして扱われます。上図で示している VHGR と同じであることに注意してください。
ハンガー ロッド アセンブリは、下方向の荷重 (重量) のみを拘束し、上方向の移動はできます。CAESAR II では、一般的に +Y (または +Z、鉛直方向をどう設定しているかによる) としてモデリングされます。
スライド式支持は、下方向の荷重 (重量) のみを拘束し、上方向の移動はできます。これらはひとつの +VERT 支持として表されます。ただし、基礎に対してスライドするため、ほとんどの応力解析では摩擦係数 (MU=x.xx) を追加します。
これらの拘束は、両方向の荷重/動き量に抵抗します (そのため、2つの支持の先頭にある "+" は除外されます)。拘束が常に鉛直方向に設置されるのであれば、最初の定義 VERT を用います。拘束がどの方向にも (たとえば、鉛直方向または水平方向) 設置されるのであれば、2番目の定義 B を用い、設置される支持方向に沿って作用することを示します。これにより、拘束の設置方向は常にメインの構造物鋼材から管に向かう方向として定義されていると見なされます。スライドが影響するため、摩擦係数も同様に含まれます。
YRIGID 1
VERT MU=0.3
または
YRIGID 1
B MU=0.3
この拘束が上図に示すように水平のラインに対して常に鉛直方向に設置されるのであれば、支持機能は常に滑り摩擦を持つガイド (Guide with sliding friction) としてモデリングされます。拘束がどの方向 (設置位置から管に向かう方法に対応した拘束方向) に対しても設置されるのであれば、2番目の定義 (C) を用い、管と拘束の横方向を示すようにします。
UGUIDE 1
GUI MU=0.3
または
UGUIDE 1
C MU=0.3
この拘束は次の 2つの機能にマッピングされます:
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+VERTical
-
GUIde
TEESUPPORT 2
+VERT MU=0.3
GUI MU=0.3
どちらの機能にもスライドが影響するため、摩擦係数も両方に定義されます。
VERTLATERAL 2
VERT MU=0.3
GUI MU=0.3
または
VERTLATERAL 2
B MU=0.3
C MU=0.3
この拘束は次の 2つの機能にマッピングされます:
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up/down restraint (拘束)
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side-to-side restraint (拘束)
常に鉛直方向に設置されるのであれば、VERT (鉛直方向) および GUI (ガイド) として定義されます。拘束はいずれの方向にも管に対して回転することができるのであれば、2番目の定義を使うことで水平方向はもちろん管軸に沿っても拘束を定義することができます。
VERTAXIAL 2
+VERT MU=0.3
LIM MU=0.3
または
VERTAXIAL 2
+VERT MU=0.3
A MU=0.3
この拘束は次の 2つの機能にマッピングされます:
-
+VERT support (支持)
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An axial restraint (軸拘束)。軸拘束は LIM または A として定義できます。(A は管の中心線の方向に沿った拘束に対応しています)。
SWAYSTRUT 1
B
これらの拘束はスウェイストラットで、いずれの方向にも据付けることができ、スウェイストラットの方向に沿って支持します。拘束がスウェイストラットの方向に対応するとして、この拘束を定義する最善の方法はこれらの拘束が B であると定義することです。すなわち、拘束の方向に支持されることになります。
ANCHOR 1
ANC
これらの拘束は管の動き量を 6つすべての自由度に対して制限するため、固定 ("ANC") として定義されます。
PENETRATION 4
+C GAP=aMM
-C GAP=bMM
-VERT GAP=cMM
+VERT GAP=dMM
上の例では、配管の向き、すなわち局所 A軸は紙面と垂直です。B軸は上向きで、+C軸は右方向になります。
いくつかのケース、特に拘束が異なるギャップと異なる方向を持つ場合は、かなり複雑です。PCF で正常に処理される支持方向に対応する +/- 拘束方向を決めるには、トライ アンド エラーが要求されます。いくつかのケースで、マッピングファイルよりも CAESAR II での拘束の挙動をモデリングしたほうがよいでしょう。