ASME Section VIII Division 2 - ノズルの弾性解析 - PV Elite - Help - Hexagon

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日本語
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PV Elite
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局部応力に対する許容応力について、材料の疲労線図と設計での圧力/温度荷重情報が必要になります。弾性限界手法であれば、あるいは通常のノズル/容器接合設計の範囲から外れる場合には、十分に規格規定を参照して局部応力解析を行ってください。材料の Sm 値の表、炭素鋼の疲労線図がこのセクションで示されています。規格から直接得られる値を設計に使用してください。

3つの本質的な判定基準があり、ノズル荷重による容器の応力が許容されるかを判定します。3つの判定基準を次に要約します:

Pm < kSmh

Pm + Pl + Pb< 1.5kSmh

Pm + Pl + Pb + Q < 3Smavg

ここで、Pm、Pl、Pb、Q はそれぞれ一般膜応力強さ、局部膜応力強さ、局部曲げ応力強さと全2次応力強さ (膜+曲げ) です。また、K、Smh、Smavg はそれぞれ短期許容応力割り増し係数、材料の高温時許容応力強さ、材料の平均許容応力強さで (Smh + Smc)/2 です。

Section VIII, Division 2, Table 4-120.1 で規定されるノズル近傍での応力分類では、持続荷重あるいは熱荷重にかかわらず外荷重による曲げあるいはノズル近傍と開口における内圧による容器壁の応力項は Q、すなわち 2次応力として分類されます。したがって、Pb はなくなり、より詳細な分類になります:

Pm - 一般膜応力強さ (内圧による 1次応力)

Pl - 局部膜応力強さで次の要因で生じます:

  • 内圧による膜応力

  • 作用する持続荷重による局部の膜応力

Q - 2次応力強さで次の要因で生じます:

  • 内圧による曲げ応力

  • 作用する持続荷重による曲げ力

  • 作用する熱荷重による膜応力

  • 作用する熱荷重による曲げ応力

  • 作用する熱モーメントによる膜応力

上記の応力分類での応力項のそれぞれが 3つのパートに分かれて表示されます。すなわち、直応力とせん断応力の 2つの応力成分を含んでいます。応力の組合せは次の規則に従って行われます:

  1. 3つの応力分類 Pm、Pl、Q の直応力とせん断応力を計算します。

  2. Pm による応力強さを計算し、kSmh と比較します。

  3. Pm と Pl による個々の直応力とせん断応力を加えます。合応力強さを計算し、1.5kSmh と比較します。

  4. Pm、Pl、Q による個々の直応力とせん断応力を加えます。合応力強さを計算し、3Smavg と比較します。

  5. 持続荷重と短期荷重がある場合には、k を 1.2 として応力分類について計算を繰り返します。

これらの基準は ASME Section VIII, Division 2, Appendix 4, Figure 4-130.1 と説明に示されています。1次曲げ応力成分 Pb が容器の応力評価では適用されないことに注意してください。したがって、Section VIII, Division 2 の要求事項から消えています。同じように、ピーク応力制限は次のように表現できます:

Pl + Pb + Q + F < Sa

Section 5-100 の明確な規定から AD-160 の弾性制限基準を満足していれば、上式を満足する必要はありません。Section 5-100 では次のように規定されています:

"If the specified operation of the vessel meets all of the conditions of AD-160, no analysis for cyclic operation is required and it may be assumed that the peak stress limit discussed in 4-135 has been satisfied by compliance with the applicable requirements for materials, design, fabrication, testing and inspection of this division. (指定された容器の運転がAD-160のすべての条件を満足する場合、繰り返し運転に対する解析は要求されません。本規格で規定する材料、設計、施工試験と検査の要求事項を満たすことで、4-135で規定されているピーク応力制限は満足していることになります。)"

例題: 疲労線図 (Sa の値)

CodeCalc で使われている式はさまざまな応力成分を評価していますが、次のように要約することができます:

Pm(SUS) < Smh

Pm(SUS + OCC) < 1.2Smh

Pm(SUS) + Pl(SUS) < 1.5Smh

Pm(SUS + OCC) + Pl(SUS + OCC) < 1.5(1.2)Smh

Pm(SUS + OCC) + Pl(SUS + OCC) + Q(SUS + EXP + OCC) < 1.5(Smc + Smh)

ASME VIII Div.2, AD-160 の要求事項のいくつかが満足していない場合には、定量的な疲労解析が必要になるでしょう。ピーク応力は計算されるか推定することが必要です。Article 4-6 の代わりに、AD-560 Alternative Rules for Nozzle Design (ノズル設計における代替規則)Stresses in Openings for Fatigue Evaluation (疲労設計での開口部応力) によって開口部のピーク応力を計算します。AD-560.1 から AD-560.6 までのすべての条件を満足すれば、Table AD-560.7 で与えられている応力指数を使うことができます。対応するボックスをクリックすれば、ソフトウェアはこれらの応力指数を使って内圧による 1次応力 (円周方向応力と長手方向応力) を修正します。

外荷重に対しては、一般に最大ピーク応力はすみ肉溶接部と継手交差部に生じます。WRC107 による応力集中係数 (Kn, Kb) を使う場合には、容器とノズルの間のすみ肉半径が必要になります。パッドで補強されている場合には、パッドのすみ肉溶接半径を入力してください。ソフトウェアは近似を行って WRC 107 Appendix-B の式 (3) と (4) から応力集中係数 (Kn, Kb) を推定します。このようにして、引っ張りと曲げ応力が応力集中係数 (Kn, Kb) を用いてそれぞれ修正されます。ソフトウェアは継手交差部の 4つの位置における外表面都内表面の局部応力を計算します。直接、応力和を計算することは 避けて ください。その代りに、ピーク応力レベルを計算するのにどの応力を加えるかを検討して、Appendix-4 と 5 の規則と運転繰返し数に依存する疲労線図を使ってください。有限要素法解析との比較によれば、一般に外荷重ではノズルのすみ肉溶接の先端でもっとも高いピーク応力が生じます。

内圧による応力指数と応力集中係数を含めてからすべてのピーク応力を加算するのが安全側になります。応力レベルの計算ではなく、応力指数 のチェックにのみ応力の総和は有効です。ピーク 応力レベル は疲労解析で必要です。計算される応力和の機能は Appendix 5 に従って許容値と比較することができません。しかしながら、応力和の結果から応力集中係数と内圧の応力指数の組み合わせの影響を比較する上では参考にできます。