Flanges with Different Bending Moments (異なる曲げモーメントのフランジ):
フランジ設計モーメントは外圧、リバースフランジと全面座フランジでは異なります。
外圧では端部荷重とフランジ圧力のみが設計に含まれ、それらの符号が逆になります。リバースフランジではすべてのモーメントが存在しますが、モーメントアーム hd は負になりますので MD も負になります。荷重 HT は負であり、モーメントアーム ht は正の場合も負の場合もあります。モーメントの絶対値が計算に使われます。
全面座フランジでは代わりとなる hg (h''g) が使われて、ボルトサークルにおける逆のモーメントが計算されます。全面座フランジが要求された場合には、ガスケット締め付け時の計算は行われません。
Blind Flanges and Channel Covers (ブラインドフランジとチャネルカバー):
円形ブラインドフランジの ASME規格計算式は次の通りです:
t = d * SQRT( C * P / S * E + 1.9 * W * Hg / S * E * d3 )
この式の最初の項は内圧作用下の平板の曲げになります。第2項は端部モーメントによる平板の曲げになります。応力は許容応力の 1.5倍に制限されますが、係数 1.5 はすでに式に含まれています。ガスケット締め付け時には最初の項はゼロであり、フランジの厚さは端部モーメントのみに依存します。
非円形ブラインドフランジでは、Z の項は平方根の中の最初の項に追加されます。さらに、Z はフランジの長辺と短辺の比で表される単純な関数です。規格は非円形ブラインドフランジを規定していますが、矩形容器 Appendix においてさえ他の種類の非円形フランジを規定していないのは興味深いことです。
TEMA に準拠したチャネルカバーは少なくとも規格の最小厚さ要求事項を満足していなければなりません。さらに、仕切り板のための溝があればカバーのたわみが制限されます。
フランジの変形制限に関する式はTEMA 9.21 にあります。変形はもちろん t3 と G3 の関数であり、フランジ厚さをわずかでも増やせば変形は著しく小さくなります。TEMA の第7版でもフランジサイズの関数として推奨変形量を提示しています。前の版では、厚さ式における実際の変形は隠されていました。
Allowable Flange Stresses (許容フランジ応力):
許容応力は、ASME規格のフランジ材質に対する常温と運転時の設計温度に超える許容応力に基づいています。曲げ応力の場合には許容応力は 1.5 の割増になります。純粋な引っ張りに対して、曲げは断面が降伏するのに必要な最大ひずみがより大きくなることを考慮して決定されています。計算された応力と許容応力は次のようになります:
運転時 |
常温時 |
|
長手方向ハブ応力 (曲げ) |
1.5 x Sfo |
1.5 x Sfa |
半径方向フランジ応力 |
1.0 x Sfo |
1.0 x Sfa |
接線方向フランジ応力 |
1.0 x Sfo |
1.0 x Sfa |
最大平均応力 |
1.0 x Sfo |
1.0 x Sfa |
ボルト応力 |
1.0 x Sbo |
1.0 x Sba |
リバースフランジ応力 |
1.0 x Sfo |
1.0 x Sfa |
全面座ガスケットフランジ応力 |
1.0 x Sfo |
1.0 x Sfa |
ここで: |
Sfo |
= |
ASME規格 運転温度時のフランジ材料の許容応力 |
Sfa |
= |
ASME規格 常温時のフランジ材料の許容応力 |
|
Sbo |
= |
ASME規格 常温時のボルト材料の許容応力 |
|
Sba |
= |
ASME規格 常温時のボルト材料の許容応力 |
Maximum Allowable Working Pressure (最大許容運転圧力):
次の図は、ソフトウェアがどのように最大許容運転圧力を計算するか概念的に示しています:
1. 運転時 MAWP
ソフトウェアは与えられた圧力における応力を計算し、圧力ゼロでの応力と与えられた圧力での応力との間の勾配を計算します。
ソフトウェアは許容応力に等しい応力となる点を外挿により求めます。この点の圧力が最大許容運転圧力になります。
2. ガスケット締め付け時 MAWP
圧力が低い場合には、ガスケット締め付け時の応力は設計圧力の関数にはなりません。高い圧力では応力は圧力の関数になり、MAWP はガスケット締め付け時で応力が決定されなければ上記のように計算されます。
ソフトウェアはガスケット締め付け時 MAWP と運転時 MAWP を入力形状と圧力に基づいて計算します。理論的に、両方の MAWP は入力の圧力に依存はしないはずです。しかしながら、外挿アルゴリズムの制約から、MAWP の推定は圧力が小さい時には圧力にわずかながら依存します。部分的な、あるいは設計モードでは、ソフトウェアは必要フランジ厚さに基づいてMAWPを計算することに注意してください。
フランジ剛性計算
Appendix 2 では、与えられたフランジ形状が漏洩するかどうかを判断する式も用意されています。常温と運転時の双方のケースがあります。剛性指数が 1.0 よりも大きければ、漏洩の可能性があります。
Appendix 2 の計算式は Addenda-2005 までは必須です。