オーストラリア/ニュージーランド規格の耐風設計の原則は基本的に同じです。空気という質量の流れが、流れにある障害物にあたることで力を発生します。風荷重解析のスタート点は風の動的エネルギーを静圧に変換する Bernoulli (ベルヌーイ) の式から始まります。この圧力は単に流れの中にある物体を動かします。縦型のタワーでは、風荷重は流れの方向に変位させます。摩擦によって流体である風は容器の周りを通過し、容器の両側に旋回流 (vortices) と呼ばれる小さな渦の流れを生成します。回転した空気は、回転動力学的エネルギーの増加につれて幾分かの圧力低下を起こします。この現象はベルヌーイの式で予測される影響です。この回転した渦、旋回流は容器の片側の圧力を低下させます。この旋回周は容器の両側で交互に起こりますから、容器は流れに直角方向に揺れ始め、倒立振り子のように振動します。
風圧は風の流れ方向に静的な変位をもたらし、渦流の離脱では上述のように風の流れに対して直角方向に振動をもたらします。
静的な変位と動的な振動で、容器には長手方向あるいは軸方向の曲げ応力が生じます。 この両者の応力と変位は、健全な設計を行う上で制限されなければなりません。
上で述べたように、風による動的エネルギーは圧力に変換されますが、最終的な風圧の影響としては他の係数も考慮されます。これらの係数の代表的なものを次に示します。ただし、これだけではありません:
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風の流れに対するタワー、容器の高さ、海抜
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容器が据え付けられる敷地の高さ
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高いプラットフォームあるいは構造物上の容器であれば、ベースの高さ
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丘や急斜面など廻りの地形の影響
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風上にある建物の影響
合理的な解析を行うために、ソフトウェアに対して十分正確な情報を入力して正しい係数を適用し、特殊なケースでは特殊な計算を行う必要があります。