胴の長手溶接効率を指定します。円筒胴の長手継手効率あるいは球形胴の溶接継手効率です。半楕円と皿形鏡板では一般的には非溶接ですが、継ぎ手効率として応力の低減が必要となる場合があります。この値を設定する際の参考としては、Section VIII, Div. 1, Table UW-12 (下記) を参照してください。UW-12 の参照すべきパラグラフがわかれば、 をクリックして Weld Joint Efficiency and Placement ダイアログ を開き、Degree of Radiographic Examination and PWHT (放射線試験の等級と PWHT) タブ で継手の放射線試験と熱処理を選択します。 長手と周の継手効率はこのようにしてソフトウェアが自動的に選択してくれます。
ASME 規格、その他の規格での公式における継手効率は溶接の検査品質に対するものさしです。一般に、100%の放射線検査を受ける溶接線の溶接継手効率は 1.0 となります。スポットの放射線検査を受ける溶接線の溶接継手効率は 0.85 となります。放射線検査を受けない溶接線の溶接継手効率は 0.7 となります。シームレスな部品では継手効率は 1.0 となります。
UW-11(a) では、長手溶接線を全線放射線検査の品質とするために、周溶接線にスポット放射線検査を実施することを要求しています。スポット放射線検査は、周溶接線の UW-11(b) を満たすために使用する放射線検査とは別の検査でなければなりません。
PD 5500 と Section VIII Div. II (pre-2007) では、ソフトウェアはスカートと胴の溶接を除いてこの値を用いていませんでした。2007年版またはそれ以降の Division II を使用している場合、継手効率は継手の分類、溶接の種類、NDE の内容に応じて、1 あるいは 0.85 になります。詳細は、Division 2, Section 4.3 と Table 7.2 を参照してください。
Table I: MAXIMUM ALLOWABLE JOINT EFFICIENCIES FOR ARC AND GAS WELDED JOINTS from Table UW-12
放射線の等級 |
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タイプ番号 |
継手 |
制限 |
溶接継手分類 |
(a) |
(a) |
(c) |
(1) |
UW-35の要求事項を満足する完全溶込みの突合せ両側溶接継手、またはこれと同等以上の突合せ片側溶接継手。裏当てを用いる突合せ片側溶接継手で、裏当てを残す継手。 |
なし |
A, B, C, D |
1.00 |
0.85 |
0.70 |
(2) |
上記(1)を除く裏当てを用いる突合せ片側溶接継手で、裏当てを残す継手。 |
(a) 下記の(b)を除く。 (b) せぎり溶接を除く。UW-13(b)(4) と Fig. UW-13.1, sketch (k) を参照。 |
A, B, C, D A, B, C |
0.90 0.90 |
0.80 0.80 |
0.65 0.65 |
(3) |
裏当てを用いない突合せ片側溶接継手。 |
周突合せ溶接で呼び厚さが 5/16" in. (16 mm) 以下で外径が 24 in. (610 mm) 以下。 |
A, B, C |
NA |
NA |
0.60 |
(4) |
両側全厚すみ肉重ね溶接継手。 |
(a) 長手溶接で呼び厚さが 3/8 in. (10 mm) 以下。 (b) 周溶接で呼び厚さが 5/8 in. (16 mm) 以下。 |
A B & C6 |
NA |
NA |
0.55 |
(5) |
UW-17 に合致するプラグ溶接を行う片側全厚すみ肉重ね溶接継手 UW-17 |
(a) 周溶接4 で外径が 24 in. (610 mm) 以下の胴に呼び厚さが 1.2 in. (13 mm) 以下の鏡板を取り付ける場合。 (b) 周溶接でジャケットに呼び厚さ 5/8 in. (16 mm) 以下を取り付ける場合。なお,プラグ溶接の中心から板の端までの距離はプラグの穴径の 1.5倍以上とする。 |
B |
NA |
NA |
0.50 |
(6) |
プラグ溶接を行わない片側全厚すみ肉重ね溶接継手 |
(a) 鏡板の中高面側に圧力(外圧力)を受け、計算厚さが 5/8 in. (16 mm) 以下の胴に鏡板を取り付ける場合。胴の内部のすみ肉溶接のみに適用。 (b) 鏡板の両面に圧力を受け、内径 24 in. (610 mm) 以下で計算厚さ 1/4 in. (6 mm) 以下の胴に鏡板を取り付ける場合。 |
A, B A, B |
NA |
NA |
0.45 |
(7) |
部分溶込みの開先溶接で 2つの部材を L形、または T形に互いに直角に接合するすみ角部の溶接継手 |
Fig. UW-13.2 と Fig UW-16.1 による制限 |
C7, D7 |
NA |
NA |
NA |
(8) |
溶接断面がほぼ三角形のもので 2つの面をほぼ直角に互いに接合するすみ肉溶接継手 |
分類 B と C の継手に対して U-2(g) による設計 |
B, C, D |
NA |
NA |
NA |
表の注記: |
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1 - このDivisionで表に示されている継手分類と放射線試験の等級の組み合わせでの1つの値は応力低減係数と継手効率の双方を置き換えることができます。 |
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2 - UW-12(a) と UW-51 を参照してください。 |
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3 - UW-12(b) と UW-52 を参照してください。 |
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4 - 胴に接続する半球形鏡板の継手は除きます。 |
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5 - 圧縮荷重に対する突合せ継手ののとき E = 1.0 |
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6 - 分類 C のタイプ番号 4 ではボルト締めフランジ継手に対して制限は適用されません。 |
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7 - 分類 C と D の継手に対して継手効率 E に関する設計公式がありません。When needed, a value of E not greater than 1.00 may be used. |