ASCE 7 規格では2つ設計方法が用意されています:
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荷重と抵抗係数設計法 (Load and Resistance Factor Design - LRFD) は要求強度と実際強度を比較します。LRFD は実際の荷重や地震荷重が作用したときのシステムの実際の応答として支持部、構造物の変形や荷重を与えるものです。
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許容応力度法 (Allowable Stress Design - ASD) は実際の強度と許容応力を比較します。ASD は地震事象に対して荷重低減係数 0.7 を用い、風事象に対して荷重低減係数 0.6 を用います。
CAESAR II は ASD を用いて配管系の地震荷重および風荷重評価を行います。ASCE 7 の要求事項と合致するためには、応力評価での荷重ケースに対して荷重低減係数を用いるようにしてください。
IBC は、風荷重と地震荷重について ASCE 7 を参照します。
次に示す表は ASCE 7 の太字で示す荷重低減係数を用いた荷重ケースの例を示しています。
荷重 |
|
|
応力 |
---|---|---|---|
L1 |
W+T1+P1+0.7U1 |
応力評価のための荷重低減係数を用いた地震時運転荷重 |
OPE |
L2 |
W+T1+P1+U1 |
ローディングデータ用地震時運転荷重 |
OPE |
L3 |
W+T1+P1+0.6WIN1 |
応力評価のための荷重低減係数を用いた風荷重作用時運転荷重 |
OPE |
L4 |
W+T1+P1+WIN1 |
ローディングデータ用風荷重作用時運転荷重 |
OPE |
L5 |
W+T1+P1 |
通常運転荷重 |
OPE |
L6 |
W+P1 |
持続荷重 |
SUS |
L7 |
L1-L5 |
応力評価用地震荷重成分 |
OCC |
L8 |
L3-L5 |
応力評価用風荷重成分 |
OCC |
L9 |
L6+L7 |
応力評価用地震荷重 |
SUS+OCC |
L10 |
L6+L8 |
応力評価用風荷重 |
SUS+OCC |
CAESAR II 2019 (version 11) 以降では、風荷重との整合性を取るために 地震荷重ウィザード (Seismic Wizard) に荷重低減係数 0.7 は含まれていません。風荷重の荷重低減係数 0.6 も考慮されていません。