配管応力解析座標系システム (Pipe Stress Analysis Coordinate Systems) - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

Language
日本語
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CAESAR II
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CAESAR II Version
13

前に述べた通り、ほとんどの配管応力解析プログラムは 3次元の梁要素を用いています。この要素は有限な薄い棒で、2つの節点間で表されます。それぞれの節点は 6つの自由度、すなわち 3つの並進成分と 3つの回転成分を持っています。モデルとしての配管系は一連の要素で定義され、節点で連結されます。これらの配管要素は標準ではベクトルで定義され、全体座標での相対的な寸法で参照されます。

ほとんどの配管応力解析プログラムでは、2つのよく使われる全体座標系があります。Y軸あるいは Z軸を鉛直に選ぶ座標系です。

全体座標系は固定されていて、すべての節点座標と要素の相対的な寸法は、全体座標系で参照されます。次の例では、節点10 から節点 20 で構成されている配管要素は DX 寸法を 5フィートとして表しています。節点20 は節点10 よりも全体座標 X に 5フィートだけ大きいことがわかります。同様にほかの 2つの要素についても記述することができます。これらの要素はそれぞれに全体座標 Y方向、全体座標 Z方向に沿っています。

CAESAR II では、2つの全体座標系からユーザーが選択できます。デフォルトの全体座標系 は、全体座標 Y軸を鉛直とします。全体座標系 の Z軸を鉛直に変更するには 2つの方法があります。

最初の方法は、現在のデータディレクトリにある環境設定ファイルを修正することです。これは、メインウィンドウリボンの ホーム (Home) > 設定 (Setup) > 環境設定エディタ (Configuration Editor) をクリックして設定します。環境設定エディタで Geometry Directives (形状定義) を選択して New Job Z-axis Vertical (新規ジョブの鉛直軸をZ軸に変更) を True に設定します。

この設定は、現在のデータディレクトリに作成される新しいジョブで有効になります。Y軸を鉛直とした既存のジョブは、この環境設定の変更により影響は受けません。

2番目の方法は、特定のジョブの入力に対して座標系を切り替える方法です。基本配管入力 (Classic Piping Input) の 特殊実行パラメータ (Special Execution Parameters) ダイアログで行います。

Z軸 垂直 (Z Axis Vertical) を選択すると、直ちに全体座標系の向きが変更され、要素の相対寸法が更新されます。相対的な位置と長さは、この鉛直軸変更の影響は受けません。