減衰 (Damping) (DSRSS) (臨界減衰比) - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

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日本語
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CAESAR II
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CAESAR II Version
13

(適用対象: スペクトル/DSRSS、調和振動、時刻歴解析)

限界減衰比を以下に説明しているように指定します。原子力規制ガイドライン (USNRC Regulatory Guide 1.61) と ASME規格コードケース (ASME Code Case N-411) では、配管サイズ、地震の厳しさ、およびシステムの固有振動数によって配管系の標準的な減衰定数は 0.01 から 0.05 としています。

一般に減衰はスペクトル解析または調和振動解析の数学的解法では考慮することができません。したがって、ほとんどの解析では特殊な場合を除いて無視されます。その代わり、作用荷重の大きさを調整しています。

時刻歴解析では、減衰は陽な形で用いられます。この手法は運動方程式を数値解析で積分して解きます。

原子力規制ガイドライン (USNRC Regulatory Guide 1.92) で定義されるダブルサム (DSRSS) モーダル合成法を用いる応答解析では、減衰はモーダルの補正係数の計算に用いられます。CAESAR  II では個々の振動モードに対して減衰を指定することはできません。詳細は、 モード合成方法 (Modal Combination Method) (Group/10%/DSRSS/ABS/SRSS) を参照してください。

調和振動解析ではこの比はレーリー減衰 (Rayleigh Damping) に変換され、減衰マトリックスは次のように質量と剛性マトリックスの乗数として表されます:

[C] = a [M] + b [K]

振動モードを基礎にして、臨界減衰 Cc と定数 ab との関係は次のようになります:

ここで:

w = 振動モードの無減衰のときの固有振動数 (radians/sec)

実際の問題では、a は非常に小さく、無視できます。したがって、その関係は次のようになります:

a = 0

b = 2 Cc / w

CAESAR  II では、調和振動解析でこの減衰についての解釈を用いています。しかしながら、多自由度系で単一の b が計算されます。 w は荷重の振動数を用いています。荷重振動数が振動モードの振動数に近い場合に、真の減衰を精度よく推定することができます。