摩擦に対する剛性係数 (Stiffness Factor for Friction) - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
Search by Category
ヘルプ
CAESAR II Version
13

適用対象: モーダル、調和振動、スペクトル、疑似静的、時刻歴の解析

代表的な単位: 1/inch に固定

摩擦剛性係数を以下に説明しているように指定します。ゼロより大きな値を入力すると、解析での摩擦剛性が考慮されます。0.0 を入力すると、摩擦を無視します。

CAESAR II の動的解析は線形システムにのみ機能するため、非線形の影響は解析実行前に線形化しなければなりません。動的モデルでの摩擦のモデル化は特別なケースです。摩擦は動的応答に対して 2つの点で影響を与えます。静的摩擦は摩擦が切れるまでシステムの剛性として影響を与え、拘束をします。一方、動的摩擦は摩擦が切れた後で動的応答に対して減衰の影響を与えます。数学的な制約から、時刻歴解析と調和振動解析を除いて、減衰はすべての解析で無視されます。単にシステム全体に考慮されるのみです。

ソフトウェアは摩擦をこの摩擦剛性係数を使用して考慮します。ソフトウェアは摩擦が指定された拘束で拘束方向とは垂直の剛性をモデル化して、配管に作用する拘束摩擦の影響を近似しています。この 摩擦 の剛性は次のようにして計算しています:

Kfriction = F * µ * Fact

ここで

Kfriction = ソフトウェアでの摩擦拘束の剛性

F = 選択した静的解析から得られる拘束点での荷重。この荷重は拘束に作用する合成荷重で、摩擦を含みます:

F = (Fx2+Fy2+Fz2)1/2

µ = 静的モデルで定義される拘束点での摩擦係数

Fact = 摩擦剛性係数単位は 1/インチに固定されているため、他の単位にする場合は変換が必要です。剛性 Kfriction が N/cm、応力 F が N で定義されている場合、ユーザーは Fact を 1/cm に変換する必要があります:

Kfriction = F * µ * Fact * (1 in/2.54 cm).

この摩擦剛性係数は、実際の動的応答をシミュレーションする動的モデルができるように必要な限り調整を行います。この係数の使用は実際のどの動的パラメータにも対応していません。しかし、実際には調整係数はシステムの剛性を修正します。ゼロより大きな摩擦剛性係数の入力により、摩擦剛性が動的ジョブに考慮されます。この摩擦剛性係数を大きくすると、摩擦の影響が大きくなります。1000 のような値が一般的です。摩擦剛性係数をゼロとすると、摩擦の影響は動的ジョブから除かれます。