以下の説明は、CAESAR II Basic Model ダイアログで、Soil Model Type として Basic Soil Modeler を選択したときのみ適用できます。このダイアログと有効な地盤データの詳細については、Basic Soil Modeler (基本地盤モデラー) ダイアログ を参照してください。
FRICTION COEFFICIENT (摩擦係数) や UNDRAINED SHEAR STRENGTH (非排水せん断強度) は、空白のままでもかまいせん。粘土に対しては、標準では摩擦係数を空白にしておき、CAESAR II が Su/600 psf として自動計算します。砂質土と粘土質の地盤についてもここで定義できます。
地盤拘束方程式はこれらの地盤特性を用いて、拘束上限荷重と剛性を計算します。TEMPERATURE CHANGE (温度変化) はオプションです。熱ひずみを入力すると、理論的見かけの固定長さ (anchor length) を計算します。これらの式は次のとおりです:
上限荷重 (Fax)
Fax = μD[ (2ρsH) + (πρpt) + (πρf)(D/4) ]
ここで:
μD = 摩擦係数、標準的な値は次のとおりです:
0.4 シルト
0.5 砂質土
0.6 礫
0.6 粘土 または Su/600
ρs = 土の密度
H = 埋設管頂部埋設深さ
ρp = 配管密度
t = 管公称厚さ
ρf = 流体密度
D = 配管外径
Su = 非排水せん断強度 (粘土質地盤に適用)
水平上限荷重 (Ftr)
Ftr = 0.5ρs(H+D)2[tan(45 + φ/2)]2OCM
Su が粘土質地盤のように既知であれば、Ftr は上のように Su/250 psf を乗じて計算されます。
ここで:
φ = 内部摩擦角、標準として次の値をとります:
27-45 砂質土
26-35 シルト
0 粘土
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OVERBURDEN COMPACTION MULTIPLIER (コンパクション係数) (OCM) とは CAESAR II 用語で、地盤の特性をモデル化する際に安全側のアプローチとなるようにとられた係数です。高い剛性は一般的には安全側の結果を与えますので、ユーザーは水平方向剛性を高める傾向にあります。CAESAR II の OCM でこの目的を達成します。
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埋め戻しのコンパクションの程度にもよりますが、ユーザーは OCM をデフォルトの 8 から、5 から 7 の範囲に小さくすることができます。OCM を 1.0 とできない理論的な根拠はありません。
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厳密な Peng の理論と議論 (April 78 and May 78 issue of Pipeline Industry) では、OCM としては 1.0 を使うべきとしています。
降伏変位 (yd):
yd = 降伏変位係数 (H+D)
降伏変位係数のデフォルトは、H = 3D に対して 0.015 です。
配管長さ基準での軸剛性 (Axial Stiffness) (Kax) :
Kax=Fax / yd
配管長さ基準での水平剛性 (Transverse Stiffness) (Ktr) :
Ktr=Ftr / yd