モデル作成は配管要素をひとつひとつ定義していくことから始まります。また、外部からの影響として境界条件と荷重も定義します。それぞれの配管要素は2つの節点番号で識別されます。また、それぞれの配管要素に幾何形状、断面、材料の定義が必要です。データを入力するひとつの方法として、配管スプレッドシート (Piping Spreadsheet) があります。
配管要素をそれぞれのスプレッドシートで定義します。配管要素にデータを定義すると、CAESAR II によって次に続く配管スプレッドシートに自動的に複製されるデータがあります。これは多くの要素データについて節点番号を確認して相対的な寸法を入力するだけの作業であることを意味します。CAESAR II は、配管径、運転温度、材料種類などのデータを前の要素から自動的に複製します。ユーザーは、いつでも要素の配管スプレッドシートでデータを入力して、複製されたデータを上書きできます。
メニュー、ツールバー、アクセラレーターには追加のコマンドがあり、細かい補助的な処理や特殊なモデル化、データベースを用いる場合に使用します。これらのコマンドと配管スプレッドシートの入力データ作成方法については、配管系入力 (Piping Input) で詳しく説明します。
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DX ボックスに 10-0 (10 フィート) と入力します。
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外径 (Diameter) ボックスに 8 (公称径 8インチ) と入力します。
CAESAR II は、この値を自動的に実際の外径に変換します。
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肉厚 (Wt/Sch) ボックスに S (標準スケジュール管) と入力します。
CAESAR II は、これを自動的に実際の肉厚に変換します。
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温度 1 (Temp 1) ボックスに 600 (華氏温度) と入力します。
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圧力 1 (Pressure 1) ボックスに 150 (psig) と入力します。
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ベンド (Bend) チェックボックスをダブルクリックします。
ベンド (Bends) タブが表示されます。ここで要素の端にロングラディアス(LR)のエルボを作成します。また、節点18 と 19を直管とエルボとの溶接部と曲がり中点に追加します (節点20は、物理的にベンドのもう一方の溶接部を表します)。
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拘束 (Restraint) チェックボックスをダブルクリックします。
拘束 (Restraint) タブが表示されます。
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最初の 節点 (Node) ボックスに 10 と入力して、種類 (Type) リストの一番目にある 固定 (ANC) を選択します。
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材料 (Material) リストから A106 B を選択します。
材料を選択すると、密度や縦弾性係数などの材料特性がパラメータに設定されます。
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許容応力 (Allowable Stress) チェックボックスをダブルクリックします。
許容応力 (Allowable Stresses) タブが表示されます。
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規格 (Code) リストから B31.3 規格を選択します。
入力した材料、温度、規格に応じた許容応力が自動的に表示されます。
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流体密度 1 (Fluid Den 1) ボックスに 0.85SG (比重 0.85) と入力します。
ソフトウェアは、この値を自動的に密度に変換します。
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最初の要素を定義した後、次の要素に進みます。 Alt-C キーを押すか、継続 (Continue) をクリックするか、メニューから 編集 > 継続 (Edit > Continue) を選択して、次の要素に進みます。
節点番号は、From と To ボックスに自動的に入り、前の要素のデータが継承されます。
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DY ボックスに 10-0 (10 フィート) と入力します。
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拘束 (Restraint) チェックボックスをダブルクリックします。
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最初の 節点 (Node) ボックスに 30 と入力して、種類 (Type) リストの一番目にある 固定 (ANC) を選択します。
2つの要素モデル (両端が固定されたL字のモデル) が完成しました。
配管入力処理には、モデル編集と照合を簡単に行うために対話型のグラフィックス処理とリスト処理があります。グラフィック (Graphics) または リスト (List) ユーティリティでモデルの照合ができますが、 両者を組み合わせて利用することを推奨します。デフォルトでは、入力スプレッドシートの右側にグラフィック スクリーンが表示されます。左上の小さなピンをクリックして入力スプレッドシートを折りたたむと、グラフィックのスペースを最大にできます。