モデルの確認 (Review the model) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
Search by Category
Reference Data
CAESAR II Version
13

ポンプノズルの運転荷重でのモーメント (X, Y, Z) は API 610 の制限値よりも大きくなっています。ユーザーはこれら荷重を低減するためにモデルを修正する必要があります。チュートリアル A (Tutorial A) の静的解析に戻り、これらの荷重が大きくなっている原因を特定します。原因を特定できたら、モデルに必要な変更を加えます。

チュートリアル A (Tutorial A) 静的解析結果で、ポンプに作用する運転荷重と据付荷重を比較します。これらが大きく異なる場合、熱荷重が過荷重の原因となります。差が小さい場合、持続荷重が原因で高い荷重が生じています。

このケースでは、運転荷重のみが大きくなっています。そのため、このシステムは熱荷重に問題があります。熱伸びによる熱荷重は、システムにフレキシビリティを与えることで減少させることができます。F = KX ですので、K の値を小さくすることで、2点間の熱伸びによる荷重またはモーメントを低減できます。

持続荷重によって荷重が大きくなっている場合には、圧力と重量が原因となります。圧力に問題があるシステムでは、通常、タイロッドのない伸縮継手を設置していることが原因となりることがあります。重量の問題は、サポートが不適切であることに起因しています。一般的には、セット荷重かサポートの位置に問題があります。

次の図で、運転荷重ケースの変形プロットを見て、モーメントが高くなっている原因を調べます。ほとんどのエンジニアにとって、断面力よりも変形の方が荷重の挙動を理解することが容易でしょう。変形プロットで、どの部分に熱ひずみが生じて、どの部分が熱ひずみをポンプに対して大きな荷重にしているのかを特定することができます。

ポンプの Z軸周りのモーメントは B の部分の熱伸びで、脚 AC の剛性に働きかけていることがプロットでわかります。X軸周りのモーメントは A の部分の熱伸びで、脚 BC の剛性に働きかけていることがわかります。スチームストリッパー容器接続部 (配管系モデルの A の左端で節点40) の熱伸びもこの高い荷重を発生させている原因のひとつです。

どのようにして、ポンプ吐出ノズルでの高い荷重を低減できるのでしょうか? あるいは、どのようにフレキシビリティを増して、荷重を低減できるのでしょうか? 可能な解決策は次のとおりです:

  • 容器/ノズル接合部のフレキシビリティをモデルに組み入れる

  • 配管ループまたは伸縮継手を追加することによって剛性を低減するように配管系モデルを再設計する